排卵誘発剤クロミッドの副作用

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではクロミッドという排卵誘発剤が処方されることがあります。そのほか、不妊治療のタイミング法を助ける役目としてクロミッドが処方されることもあります。

クロミッドというのは商品の名前で正式な名称は「クエン酸クロミフェン」です。クロミッドという名前がよく知られていますが、他にも「フェミロン」「セロフェン」「オリフェ」などと製薬会社で名称が違います。

クロミッド(排卵誘発剤)で治療をすると約40%から50%が妊娠することが可能ですが、怖いのは薬の持つ副作用です。

クロミッドの副作用には頭痛や吐き気、便秘や倦怠感など他の薬でも起こりそうな副作用がありますが、子宮内膜が薄くなる副作用があると着床率が低くなってしまいます。

妊娠するために排卵誘発剤を飲むわけですが、妊娠しにくくなってしまっては意味がありません。気を付けたいのは医師によっては子宮内膜の厚みをチェックしない場合もあることです。

また、妊娠しにくくなってしまう副作用には、生理の量が減ってしまったり、おりものの量が減るという場合や卵胞が大きくなりすぎて破裂しない、つまり排卵しない場合もあります。

こう聞くとクロミッドの副作用は怖いと思われるかもしれませんが、もちろん誰でも副作用が出るわけではありません。

クロミッドは女性に処方されるばかりではなく、男性ホルモンに作用し男性の精子にも有効な働きをするとされます。女性の場合には女性ホルモンの働きを弱めるため副作用がおきやすいのですが、男性の場合にはあまり副作用が認められていません。

クロミッドは「これを飲んでください」と医師から処方されますが、ただ飲めば妊娠できるわけではないこと、薬には必ず副作用があることを理解しておきましょう。

多嚢胞性卵巣症候群と妊娠

排卵障害のひとつである多嚢胞性卵巣症候群は、近年とても多くなっている症状です。多嚢胞性卵巣症候群で一番気になるのは、やはり多嚢胞性卵巣症候群で妊娠できるかどうかだと思います。

多嚢胞性卵巣症候群は、症状として生理の回数が多すぎたり逆に少なすぎたりと言った生理不順や男性ホルモンによる症状の多毛や薄毛の症状があったり、症状ではありませんが、肥満になる人が多かったりと多様な症状があります。

妊娠に関する生理不順では、不規則な整理であっても、もともとそれが自分の正常範囲だと思っている女性も多く、結婚し妊娠を希望してから初めて多嚢胞性卵巣症候群だとわかる方も少なくありません。

多嚢胞性卵巣症候群ではなくても年齢にも左右されたり、男性に問題があるケースもあり、必ずしも妊娠が約束される訳ではありませんが、多嚢胞性卵巣症候群の場合かなり妊娠できる確率が低下してしまいます。

多嚢胞性卵巣症候群で妊娠できる確率は7割や8割と言われており、一見数字だけ見ると低くありません。

しかし、この妊娠の確率というのは、10年近く経過しての確率です。逆に考えると10年間不妊治療を行ってきたらほとんどの方が妊娠できるということになります。

ただし妊娠は年齢が高くなるほど難しくなる問題があります。いざ赤ちゃんが欲しいとなってでききずに悩み高額な不妊治療をしないためにはできるだけ早く多嚢胞性卵巣症候群であることを知ることが大切になります。

多嚢胞性卵巣症候群とは

多嚢胞性卵巣症候群は病名ではなく症状(病態)を表している言葉で、Polycystic ovary syndromeを略してPCOとかPCOSなどとも呼ばれます。

排卵障害のひとつで若い女性に多い症状で、日本人女性の約7%が該当するとされます。自覚症状としては様々な症状があり、それに応じて治療方法も様々となります。

症状を具体的に言うと、生理不順、月経の周期が35日を超えたり短くなったり不規則な生理周期になるや多毛、肥満、ニキビなど特別病気とは言えない症状も呈します。

深刻な症状になることはほとんどなく、最も障害になってしまうのは妊娠をしにくくなってしまうことです。

ただし妊娠をしにくくなってしまっても妊娠や出産が不可能というわけではありません。体のどこかが悪くて治療を行わなければならないというようなことはあまりありません。妊娠もできないわけでもありませんので、深刻になる必要はありません。

多嚢胞性卵巣症候群の原因には多様性があり、はっきりとした原因は未だわかっていませんが、男性ホルモンが大きく関わっていると言われています。

男性ホルモンが関わっていることでヒゲが濃ゆくなってしまったり、人と比較してニキビた多かったりという症状がでます。

妊娠を希望しない場合は基本的に治療を行う必要がありませんが、妊娠を希望する場合にはできるだけ早く治療を行った方が妊娠の確率が高くなります。